衛星画像各論
Key word
- 可視画像,赤外画像,水蒸気画像
はじめに
気象衛星画像それぞれの特徴についてまとめます.白黒の画像から大気の雲を解析します. 基本的には明るさと形から大気中の雲を解析します.場所によっては氷雪が写り込むことがあるので注意が必要です.
可視画像
雲や地表面での可視光の反射を観測します.太陽光がない夜間は観測できません. また,朝方は太陽高度が低いに西側が相対的に暗く写り,夕方は逆になります. 時間帯による画像の明るさの補正はされていません.
可視画像から解析される雲の性状について,明るい雲域が滑らかな場合は層状性,凹凸が見られる場合は対流性と判断できます. 高輝度地域を見分ける必要があります.
赤外画像
赤外画像1,2について説明します.この画像は大気の吸収率の低い波長帯域を利用して雲や地表面の輝度温度を観測します.温度が低いほど明るく写るため上層の雲ほど白く写ります.
また,雲がない領域では地表面温度が反映されるため高緯度地域の氷雪域が少し明るく写ります.可視画像と合わせて高緯度地域の解析を行う必要があります.
赤外画像は太陽光の当たり方に24時間観測できます.
水蒸気画像
大気上層の水蒸気の量に応じて大気上層から放射される赤外線を観測します.上記の赤外画像よりは短い波長帯を利用しています.
中上層にある雲は明るく写りますが,下層に雲があっても輝度温度が高いために暗く写るので下層の大気を解析できません.
まとめ
気象衛星画像それぞれの特徴についてまとめました. 別種の画像や時系列の画像を比較することで雲の性状や高度を解析することができます.
参考
- らくらく突破気象予報士簡単合格テキスト 学科専門知識編 Chapter4