気象状況と対応するエマグラム(知識)
Key word
- エマグラム
はじめに
気象予報士試験でも問われやすい気象状況とエマグラムの対応について例を挙げていきます.
例
1. 雲内(特に積乱雲)
雲内における気温の状態曲線はおおよそ湿潤断熱減率に従います.このことからエマグラムにおける湿潤層の上下面を雲頂,雲底と判断することができます. 気象予報では積乱雲の存在の解析が重要なので主に積乱雲の存在の判定が試験では問われます.
2. 前線の寒気側上空
前線の寒気側の上空には寒気と暖気の境界がどこかに存在します. このため前線のから寒気側に200~300km以内にある観測地点では,下層~中層のどこかに気温減率が小さい層が存在します. 具体的にはa.湿潤な逆転層(上層ほど気温が高い,気温減率は負)またはb.湿潤な安定層(気温減率 < 湿潤断熱減率)です.1
3. オホーツク海高気圧による北東気流の影響がある地点
北東からの気流がある気圧配置は典型的なパターンがいくつか存在しますが,その中でもオホーツク海高気圧の影響による場合について考えます. オホーツク海高気圧による北東からの冷涼な気流が下層に入り,それより上の大気との間に明瞭な逆転層が見られます. 逆転層より上では乾燥している層が見られます.
4. 冬型の気圧配置
500hPaの寒気の強さにより寒気層の上面現われる逆転層の高度が変わります.500hPaの寒気が強いと逆転層の高度も高くなります.
- 日本海側:
- 逆転層より下(寒気層)では湿潤な状態になっています.
- 太平洋側:
- 基本的に乾燥しています.
まとめ
- エマグラム解析で重要なのは逆転層と湿潤(飽和)域.
- 寒気と暖気の間には逆転層が存在する.
- 湿潤(飽和)域には雲が発生している可能性が高い.
参考
- らくらく突破気象予報士簡単合格テキスト 学科専門知識編 Chapter2
注意
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b.はa.より前線から遠くの地点で見られやすいです. ↩