気象レーダー観測
Key word
- 気象レーダー
- 散乱
はじめに
パルス波の後方散乱を利用して雨や雪を観測する気象レーダーについてまとめます. 観測結果は降水強度を地図に重ねたアニメーションとして提供されます.
気象レーダーの基本情報
電磁波を目標に射出して降水強度を推定します.
観測方法
- 2km付近に向けてマイクロ波を短い時間間隔で(パルス的に)射出します.1
- パルス幅を小さくすると距離の分解能は上がりますが,観測精度は下がります.
- 観測した電磁波を解析し1時間降水量に換算して表示します.これを降水強度と言います.
観測範囲と設置
- 気象レーダーの観測範囲は半径200km~300kmです.
- 特定の観測範囲は地形の影響を受けて見えない領域が生まれることがあります.(シャドウ域)
- 上記を考慮しながら日本全土を覆えるように気象レーダーは配置されています.
- 降水強度の水平分解能は1km.
エコーの解析
ここでは気象レーダーから得られる降水強度の分布を広い意味でエコーと呼びます.
エコーの強度
気象レーダーから得られる降水エコーの形状や強度から降水の性状が判断できます.
- 大まかには対流性と層状性の降水を見分けます.対流性は狭い範囲で強い,層状性は広い範囲で弱い強度を示します.
まとめ
後方散乱を気象レーダーの観測方法とそれにより得られる降水エコーの解析についてまとめました.
参考
- 気象庁/気象レーダー: https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/radar/kaisetsu.html - 2020-12-02
注意
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電磁波をパルス的に射出することで目標物までの距離を分解できます. ↩