地上気圧の観測
Key word
- 気圧,海面更生
はじめに
主に気圧の観測とその表現方法について扱います.
気圧の観測
単位: hPa
海抜0mにおける平均気圧を1気圧といいます.(約1013.3hPa)
観測機器
- 水銀気圧計
- 温度補正
- 重力補正
- アネロイド気圧計
- 電気式気圧計(水晶振動式)
地上天気図
- 20hPa: 太実線, 4hPa: 細実線, 2hPa毎: 破線(補助線)
- 極大域にH, 極小域にLと書く.
- 明瞭な気圧の谷も書く.
海面更生
気圧は標高が高くなるほど低くなるため観測した気圧を海抜0mに統一して扱いたい.以下の2つを区別します. 普段見ている地上天気図は海面更生した気圧が用いられている.1
- 現地気圧: 観測所で観測された気圧.
- 海面気圧: 海抜0mに更生した気圧.
海面更生の方法
理論上は気温と湿度の鉛直分布と静力学平衡の式,状態方程式から積分により気圧差を計算することができる. 実際には気温減率や湿度が一定であると仮定して計算をします.
静力学平衡の式
\[\Delta P = - \rho g \Delta Z\]気体の状態方程式
\[P_{obs} = \rho R_d T_m\]鉛直p速度
鉛直p速度: 気圧の時間変化率をhPa/hで表したもの. 鉛直p速度が負の場合は上昇流,正の場合は下降流を表す.
気象予報士試験の37,38回の実技で鉛直p速度の単位hPa/hをm/sに変換させる問題が出ました.
参考
らくらく突破気象予報士簡単合格テキスト 学科専門知識編 Chapter1
注意
-
海抜800m以上で観測された気圧は海面更生の誤差が大きくなるため現地気圧のみを発表している. ↩