雲の観測
Key word
- 雲, 10種雲形
はじめに
雲の種類とその成因,性状,降水についてまとめます.
10種雲形
気象学では10種類に雲が分類される.
高度 | 雲の種類 |
---|---|
下層雲 | 1. 層雲, 2. 層積雲, 3. 積雲, 5. 積乱雲 |
中層雲 | 4. 乱層雲, 6. 高層雲, 7. 高積雲 |
上層雲 | 8. 巻積雲, 9. 巻層雲, 10. 巻雲 |
雲の性状
- 3.積雲と5.積乱雲のみが対流性の雲でありその他は全て層状性の雲.
- 上昇流の強さで対流性か層状性かが決まる.m/sのオーダーなら対流性, cm/sのオーダーなら層状性になります.
雲の性状と降水
驟雨性降水
- 対流性の雲からの強弱変化を伴う降水.
- 不安定降水,にわか雨ということもあります.
- 降水強度: 0.5~50mm/h
- 雨粒の大きさはまちまち.
連続性降水
- 層状性の雲からの偏りのない降水.
- 降水強度: 0.5~10mm/h
- 雨粒の大きさは一様.
代表的な雲
積雲
下層が暖かくなったとき, 暖かい海面上に強い寒気.
- 雲底: 1~3km, 雲頂高度: 3(冬)~4km(冬以外)
- 雲頂高度が-20°C以下になることはなく発雷はほとんどありません.
積乱雲
- 発生:
- 条件付き不安定で対流不安定層になっているときに発生しやすい.
- 一度発生すると対流活動による相当温位の保存のため,鉛直方向で相当温位はほぼ一定となります.
- 雲底: 数百m~1km, 雲頂高度: 4(冬)~16km(夏)
- 突風,雷,強雨
層積雲
- 対流性と層状性の中間の性状.
- 発生: 弱い寒気移流があるときに発生しやすい.
層雲
- 地表付近の低い高度に発生.
- 発生: 温度差のある空気が接する場合に発生します.
- 霧雨が降る.降水強度は1mm/h以下.
乱層雲
- 連続的降水をもたらす典型的な雲形.
- 発生: 代表的には温暖前線で発生.
- 降水強度は数mm/h程度.
雲量
雲量の表記
10分雲量と8分雲量
- 10分雲量: 13段階で雲量を表現.
- 8分雲量: 10段階で表現.国際通報式で使用されます.
雲量と天気
- 雲量によって快晴,晴,曇が決まります.
- 雨など他の大気現象が確認される場合はそちらを優先.
雲量 | 天気 |
---|---|
0~1 | 快晴 |
2~8 | 晴 |
9~10 | 曇 |
参考
らくらく突破気象予報士簡単合格テキスト 学科専門知識編 Chapter1 8